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1ドル163円台の円安と越境EC
販売代行

【2026年7月】1ドル163円台の円安で、越境ECの何が変わるのか

株式会社オプティズム 広報部
株式会社オプティズム 広報部

2026年7月30日時点で、ドル円は163円台で推移しています。1986年12月以来、約39年7か月ぶりの円安水準です。この記事では「円安だから儲かる」という話ではなく、いま実際に何を見直すべきかを整理します。


1いまの円安はどのくらいの水準か

ドル円は2026年7月に163円台に入りました。1986年12月以来の水準で、約39年7か月ぶりです。7月30日から31日にかけて日銀の金融政策決定会合が開かれるため、当面は振れやすい局面が続きます。

先に書いておくと、為替の先行きは誰にも読めません。この記事で相場の予想はしません。いまのレートが続いた場合に、越境ECの実務で何が変わるかだけを扱います。


2円安で得をする人と、そうでない人がいる

  • 日本国内で仕入れて海外へ売る — 追い風。同じドル価格でも、手元に入る円が増える
  • すでに海外で売っている — ドル建ての売上を円に換えたときの金額が増える。ただし海外送料や手数料もドル建てなら同時に増える
  • 海外から仕入れて国内で売る — 逆風。仕入れコストが上がる

越境ECで日本の商品を海外に売る立場なら、最初のケースにあたります。ただし「為替が有利になった分だけ利益が増える」とは限りません。理由を順に見ていきます。


3海外バイヤーから見ると、日本の商品は「安くなっている」

円安は売り手の受取額だけの話ではありません。ドルで買う海外のバイヤーからすると、円建てで値付けされた日本の商品は割安に見えます。同じ商品でも、1ドル140円のときと163円のときでは、ドルベースで支払う額が変わります。

つまり価格を据え置いていれば、海外からは「値下げされた」ように映ります。注文が入りやすくなる要因ではありますが、同時に利益を取り逃している状態でもあります。


4数字で確認する(レート別の手取り)

為替がどう効くのかは、簡単な形にすると見えやすくなります。海外での販売価格を300ドル、海外送料と各種手数料の合計を60ドルと仮定した場合の受取額です。実際の金額は商品や配送方法によって変わります。

  • 1ドル140円 … 300ドル −60ドル = 240ドル → 約33,600円
  • 1ドル150円 … 240ドル → 約36,000円
  • 1ドル163円 … 240ドル → 約39,120円

同じ商品・同じドル価格でも、受け取る円は変わります。逆に円高へ戻れば同じだけ減ります。ここで大事なのは、費用(60ドル)もドル建てで置いている点です。費用を円建てのまま計算していると、円安のときに利益を多く見積もってしまいます。


5いま確認すべき4つのこと

① ドル建ての価格を、円安前のまま置いていないか

eBayなどでドル建ての価格を設定したまま放置していると、円換算の受取額は自動的に増えます。ここまでは追い風です。問題は逆で、円高だった時期に「円で〇〇円ほしいから」と決めたドル価格が、いまは必要以上に安い設定になっている可能性があります。相場を見ずに据え置いていると、値上げできる商品を安く売り続けることになります。

② 送料と手数料もドル建てで増えている

国際送料、eBayの販売手数料、決済手数料はドル建てで発生するものが多く、円安ではこれらの円換算コストも上がります。売上の円換算だけを見て「利益が増えた」と判断すると、実際の利益率とずれます。売上と費用の両方を同じレートで計算し直してください。

③ 入金を円に換えるタイミングを決めているか

Payoneerなどで受け取ったドルは、円に換えた時点のレートで金額が確定します。売れた日のレートではありません。まとめて円転するのか、都度換えるのかを決めていないと、同じ売上でも手取りが変わります。社内でルールを決めておくほうが判断に迷いません。

④ 円が戻ったときに耐えられる価格設定か

いまのレートを前提にギリギリの利益で価格を組むと、円高に振れた時点で赤字になります。為替が数円動いても成立する価格かどうかを確認しておくと、相場が変わっても売り続けられます。


639年ぶりの水準ということは、過去の経験が使えない

163円台は1986年12月以来の水準です。つまり、いま越境ECをしている事業者のほとんどが、この水準での販売を経験していません。「前回の円安のときはこうだった」という感覚が当てはまらない可能性があります。

だからこそ、為替が動いたときに何をするかを感覚ではなくルールとして決めておくほうが安全です。価格の見直し頻度、円転のタイミング、赤字ラインの3つを先に決めておくと、相場に振り回されにくくなります。


7円安は「始める理由」にはなるが「売れる理由」ではない

円安は、日本の商品を海外に出すハードルを下げます。同じドル価格でも手元に残る円が増えるため、これまで利益が薄くて手を出せなかった商品でも成立する可能性があります。

一方で、為替が有利になっても海外で需要のない商品は売れません。円安で変わるのは利益の計算であって、需要そのものではないからです。何を売るかを決める作業は、為替と関係なく必要になります。


8何から手をつけるか

  • すでに出品している場合 — ドル建て価格と、送料・手数料を含めた利益率を再計算する
  • これから始める場合 — まず海外で需要がある商品を絞り込む。為替はそのあとの計算に使う
  • 価格の付け方が決めきれない場合 — 実際に売れた履歴(Sold)を見て、相場から逆算する

9まとめ

  • 2026年7月30日時点でドル円は163円台。1986年12月以来、約39年7か月ぶりの水準
  • 日本から海外に売る立場には追い風。ただし送料・手数料もドル建てで増える
  • 海外バイヤーから見ると、価格を据え置けば「値下げ」に映る。注文は入りやすいが利益は取り逃している
  • 確認すべきはドル建て価格の見直し/費用の再計算/円転のタイミング/円高に戻ったときの耐性の4点
  • 円安で変わるのは利益の計算で、需要そのものは変わらない

弊社はeBayでの越境ECを実務として行っています。いまの相場でご自身の商品がいくらで売れるのか、送料と手数料を引いて何が残るのかについては、ご相談いただけます。


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