「海外でポケモンカードが高く売れると聞いて調べていたら、eBayではなく“ライブ配信で売る”サービスの名前が出てきた」
そんな流れで Whatnot(ワットノット) にたどり着いた方が増えています。米国では2019年の登場から急成長し、トレーディングカードを中心としたコレクター市場で存在感を強めているプラットフォームです。
ただし日本語の情報はまだ「買う側」のものが中心で、売る側の視点で書かれた記事はほとんどありません。 この記事では、弊社が実際にアプリを継続して確認したうえで、Whatnotの仕組みと手数料、そして日本のセラーが今どこまでできるのかを整理します。
Whatnotは、ライブ配信をしながら商品を売るマーケットプレイスです。オークションとライブ配信を合体させたもの、と考えると近いイメージになります。
主な取扱いはコレクター性の高い商材です。
入札時間は30秒、10秒、さらには1秒単位まで設定でき、配信者がテンポよく商品を出し続けます。視聴者はチャットで会話しながら次々と落札していきます。
仕組みの説明として最も重要なのはここです。
弊社がアプリを見て確認した限り、盛り上がっている配信はほぼ例外なく「$1スタートのオークション」を回しています。 安く始めて人を集め、ライブの熱量でそのまま競り上げていく——これがWhatnotの集客の設計です。
eBayとは考え方が正反対です。
| eBay | Whatnot | |
|---|---|---|
| 集客の起点 | 検索で見つけてもらう | $1スタートで人を集める |
| 価格の決まり方 | 相場を見て自分で設定 | その場の競り合いで決まる |
| 売れるタイミング | 出品しておけばいつでも | 配信している時間だけ |
つまりWhatnotは「良い商品を適正価格で並べる」場所ではなく、「人を集めて、その場で競らせる」場所です。ここを取り違えると、出品しても誰も来ないという結果になります。
Whatnotの手数料は、出品時ではなく売れたときにかかります。 出品手数料も月額固定費もありません。
| 項目 | Whatnot | eBay |
|---|---|---|
| 出品手数料 | なし | 一定数を超えると発生 |
| 月額固定費 | なし | ストア契約時に発生 |
| 販売手数料 | カテゴリ別に4〜8% | 多くのカテゴリで13.6% |
| 決済手数料 | 2.9% + $0.30 | 落札手数料に含む |
| 注文ごとの固定費 | ー | $0.40 |
販売手数料はカテゴリによって変わり、コミック・アニメ・トイ・ホビーなどのコレクティブルは8%、電子機器は5%、コインは4%です。決済手数料が乗るため、米国での実質負担はおおむね11〜12%になります。
対してeBayは、日本人セラーに多いカテゴリで落札手数料13.6% + 注文ごと$0.40が基準で、これに国際取引手数料などが加わります。
手数料率だけを見れば、Whatnotのほうが数ポイント低いのが現状です。さらに2026年1月14日からは、対象カテゴリで1注文$1,500を超える部分の販売手数料が0%になる施策も始まっています。高額カードを扱うなら、この差は無視できません。
手数料はカテゴリ・地域・時期で変わります。実際の計算では必ず各社の公式ページで最新の料率をご確認ください。ここでの数値は2026年時点のものです。
ここが最も重要で、かつ最も情報が出回っていない部分です。弊社がアプリ上で確認した現状をそのまま書きます。
日本のセラーはすでに存在します。ただし扱えているのは限られたトレカ販売のみで、全面的に開放された状態ではありません。
日本から出店しようとすると、申請自体はできますが、その先はウェイティングリスト(順番待ち)で止まります。 「登録できない」のではなく「登録して待つ」という段階です。
つまり現状は、申し込んで順番を待つことはできるが、自由に売り始められる状態ではないというのが実態です。
日本関連のカードでは、ポケモンカードとワンピースカードが目立ちます。とくにポケカ。日本のトレカがWhatnotの主要商材のひとつになっている、という状況です。
日本の商材に需要があることは、すでに市場が証明しています。足りていないのは、それを売る日本側の供給網のほうです。
手数料でも登録手続きでもありません。実際に配信を見ていて壁になるのは次の2点です。
これが最大の壁です。eBayのように商品説明を事前に翻訳しておけば済む世界ではなく、チャットの質問にその場で返し、テンポを落とさずに進行する必要があります。
買い手の中心は欧米です。相手のゴールデンタイムに配信できるかどうかが売上を直接左右します。日本時間では深夜から早朝にあたるため、片手間では続きません。
この2つは、eBayの「英語ができなくても仕組みで回せる」という性質とはまったく別の負荷です。eBay側の考え方については海外向けネット販売、英語ができなくてもOKな理由とはで解説しています。
Whatnotで戦えるかどうかは、開放前にどれだけ土台を作れているかでほぼ決まります。
これらはすべて、eBayで越境ECを実際に回すことで身につくものです。開放を待ってから準備を始めるセラーと、すでに海外で売った実績があるセラーとでは、スタート地点がまったく違います。
弊社は現在、Whatnotの販売代行は提供していません(日本のセラー開放がまだのためです)。ただしeBay販売代行で培ってきた海外向けの配送オペレーションと、英語でのカスタマーサポートは、そのままWhatnotで日本人セラーが詰まる部分にあたります。開放に向けて情報を追い続けており、動きがあり次第このブログでお伝えします。
いま越境ECを始めるのであれば、現実的な選択肢はeBayです。「自分の商品が海外でいくらで売れるのか」を知りたい方は、eBay販売代行のご相談からどうぞ。