ライブコマース代行の費用相場は?米国向けでTikTok Shopの数字が使えない理由
「ライブコマース代行の費用相場」を調べると、月額20万〜30万円といった数字が出てきます。ただしその相場のほとんどはTikTok Shopの運用代行のものです。米国向けのライブ販売は前提が違うため、この数字をそのまま当てはめると見積もりが合いません。
1出回っている「相場」の正体
日本語で「ライブコマース代行 費用相場」を検索すると、比較記事が並びます。そこで紹介されているのは、ほぼTikTok Shopの運用代行です。月額20万円からのプラン、月額30万円のフルサポートプランといった価格が公開されています。
これは間違った情報ではありません。ただし前提が「国内向け、またはアジア向けのTikTok Shop」であることは意識しておく必要があります。中国・東南アジア向けのライブコマースも同様で、現地のKOL(インフルエンサー)を起用する形が中心です。
米国向けのライブ販売、つまりWhatnotやeBay Liveを前提にすると、必要になる体制がかなり変わります。だから金額も変わります。
2ライブコマース代行は何をやってくれるのか
金額を比べる前に、そもそも何を任せられるのかを揃えておく必要があります。一般にライブコマース代行が担うのは、次の5つです。
- 企画・戦略立案 — どの商材を、どの順番で、いくらから出すか。配信1回の構成を決めます
- 配信準備・機材・スタジオ手配 — カメラ、照明、音声、配信環境。商品の並べ方や見せ方の準備も含みます
- 配信・進行(ライブオペレーション) — 実際に話す人、コメントを拾う人、入札を管理する人。ここが人件費の中心です
- データ分析・レポート — 何がいくらで売れたか、どこで視聴者が抜けたか。次の配信の改善材料にします
- 集客・プロモーションサポート — 配信前の告知、フォロワーの積み上げ。ライブは「人が来ていること」が前提の販売方法です
流れとしては企画 → 準備 → 配信 → 分析・改善の繰り返しになります。ここで重要なのは、見積もりに5つ全部が入っているとは限らないことです。「配信だけ」の会社と「企画から分析まで」の会社では、同じ金額でも中身がまったく違います。
3米国向けだと、何が変わるのか
| 変わる点 | TikTok Shop(国内・アジア向け) | 米国向け(Whatnot・eBay Live) |
|---|---|---|
| 配信の時間帯 | 日本時間の夜に配信できる | 米国の夜=日本の午前中。時差13〜17時間 |
| 話す人 | 日本語。社内の担当者でも可 | 英語でリアルタイムに数時間 |
| 売り方 | KOLがまとめて数を捌く | セラー自身がオークション形式で語る |
| 発送 | 国内発送、または現地倉庫 | 日本から国際発送。関税と配送日数が絡む |
| 問い合わせ対応 | 日本語 | 英語。時差があるので夜間に発生する |
金額に最も効くのは「英語で話す人を、日本の午前中に確保できるか」です。ここを自社で持てるか、外部に頼むかで構造が変わります。「夜に社内の誰かが配信する」という組み方が成立しないため、TikTok Shopの体制をそのまま横に移すことはできません。
体制以外にも、実績データがそのまま参考にならない理由が4つあります。
- データ環境の違い — 国・地域ごとに取得できるデータや指標が異なります。日本の代行会社が持っている実績はTikTok Shopの管理画面で取れる数字であって、Whatnotの数字ではありません
- ユーザー属性の違い — 文化・言語・購買行動が違います。日本で刺さった見せ方や価格の付け方が、そのまま通じるとは限りません
- アルゴリズム(露出の決まり方)の違い — どうやって視聴者に見つけてもらうか、おすすめに載る仕組みや配信のルールがプラットフォームごとに違います
- 物流・規制の違い — 配送スピードも、扱える商材にかかる規制も変わります。国内なら翌日に届くものが、国際発送では日数も費用も別次元です
この4つがあるため、「TikTok Shopでこれだけ売れました」という実績を、米国向けの見通しとして受け取るのは危険です。見積もりを取る際は、その会社が米国向けの実績を持っているかどうかを分けて聞いてください。
4見積もりを取るときに聞くべき7つのこと
相場の数字を探すより、見積もりの前提を揃えるほうが早いというのが実感です。複数社に相談する場合、次の7点を同じ条件で伝えると比較できるようになります。
- 配信の頻度と1回あたりの時間(週1回2時間なのか、週4回なのかで人件費が変わります)
- 英語で話す担当は自社か、先方が用意するか
- 撮影・出品準備をどこまで任せるか(商品登録だけか、撮影・原稿まで含むか)
- 在庫を預けるか、都度自社から発送するか
- 英語での問い合わせ・返品対応が含まれるか(ここが抜けている見積もりが多い部分です)
- 売上に対する成果報酬があるか、固定額のみか
- 最低契約期間と、途中でやめる場合の条件
とくに5番目は要注意です。配信して売れたあとに必ず発生するのが、未着・破損・説明と違うという申し立てへの対応です。ここが見積もりに入っていないと、あとから自社の負担として戻ってきます。
5「相場」を鵜呑みにしないほうがいい理由
ライブコマースの代行費用は、業務範囲の切り方で何倍も変わります。同じ「月額20万円」でも、配信だけの会社と、撮影から発送・カスタマーサポートまで含む会社では中身が別物です。
加えて米国向けは、日本語で公開されている相場データがほとんど存在しません。TikTok Shopの数字が流用されているのが現状です。金額から入るのではなく、やってほしいことを先に決めて、その前提で見積もりを取るほうが結果的に早く進みます。
弊社が費用をどう考えているかは、越境ECのご相談ページに「費用はどう決まるのか」として整理しています。金額の目安を出していないのは、前提が固まらないまま数字を出すと、あとで食い違うためです。
6いまの弊社の状況
Whatnotへの日本からの一般の出店はまだウェイティングリスト段階で、弊社はライブコマースの販売代行をまだ提供していません。トレーディングカードのカテゴリでは許可を得た一部の事業者がテスト的に販売を開始していますが、一般開放はこれからです。
いま承っているのは、開放時の優先案内と、開放後を見据えた事前相談の2つです。米国向けの発送オペレーションと英語でのカスタマーサポートは、eBay販売代行で日々動かしているものがそのまま使えます。
まとめ
- 日本語で見つかる「ライブコマース代行の費用相場」はほぼTikTok Shopのもの
- 米国向けは配信の時間帯・英語・国際発送が前提として変わるため、同じ相場は当てはまりません
- 金額に最も効くのは「英語で話す人を日本の午前中に確保できるか」
- 相場を探すより、見積もりの前提を7項目で揃えるほうが比較できます
- 英語での問い合わせ・返品対応が見積もりに含まれているかは必ず確認してください
弊社では米国向けライブコマース販売支援の提供に向けて準備を進めていますが、日本からの一般の出店がウェイティングリスト段階のため、Whatnotの販売代行はまだ提供していません。開放され次第ご案内します。
現時点での越境ECについては、eBayとShopifyでの販売支援としてご相談を承っています。将来のライブ販売を見据えて何から手を付けるべきか、という段階のご相談でも構いません。
.png?width=915&height=355&name=optism_logo_alpha%20(1).png)